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ハチ公クラブヘの信頼。 それはハチ公の古里 秋田県大館市にあることです。 秋田犬発祥の地。 |
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| ほかの犬種と同様、秋田犬の場合も躾(しつけ)方法を誤ると、いかに優れた素質、血統であったとしても駄犬になり下がります。飼い主が常に認識し、これでいいのかと自問自答しなくてはならないことの一つに「愛情」と「溺愛」の違いがあります。当然のことながら両者には雲泥の差があり、「愛情」と認識しているつもりでも実は「溺愛」である場合が少なくないのです。これは犬に限らず、親のわが子に対する躾と十分通ずるものがあります。
深い愛情をそそいでわが子を育ててきたつもりでも、実は溺愛だったがゆえにとんでもない大人に成長する例は人間社会でも少なくないことです。親の溺愛を受けて育った子は、自分を中心に世界がまわっているという誤った価値観をもち、人を思いやる心が希薄なのが大きな特徴の一つでしょう。犬も飼い主に溺愛されて育つと、「この家で一番偉いのは自分」という誤った認識を持ち、1度そうなると"軌道修正"には大きな苦労が伴います。 2005年1月に、こんなテレビ番組がありました。何頭かの「ダメ犬」にそれぞれ訓練士がつき、各ノウハウで"優秀"な犬に変貌させようという企画。ご覧になった方も少なくないと思いますが、その中に1人、とても気になる女性訓練士がいました。男顔負けの口調で犬ばかりか飼い主までも叱咤し、犬を綱で殴り、服従させるその方法はその訓練士独特の考え方に基づく技術のような印象を与えました。 秋田犬の場合も、必要に応じて叱ることはとても大事です。しかし、ほかの犬種は殴りつける方法が容認されるのかどうかはわかりませんが、秋田犬は1度でも殴ると、もはや信頼関係は修復できないと考えなくてはなりません。この点は別のページでも触れていますが、殴る行為によって服従させることはできても、その犬の心の中にある飼い主に対する感情は恐怖以外の何ものでもないからです。 前述の訓練士の場合も、映像で観た限り、確かに犬は服従しているように見えますし、訓練士本人も言っているように「飴とムチ」を上手に使い分けている印象は、確かに与えます。ただ、テレビに登場した数人の訓練士の中で、綱であれ犬を殴ったのはその訓練士だけで、ほかは誰もそのような行為には出ませんでした。結局、走ったり、泳いだり、バーを飛び越えたりする、いくつかの種目をとおして最高得点を獲得したのは、その犬の特性を的確に把握してその良さを最大限に引き出してやる能力に長けた、別の訓練士でした。訓練技術のレベルや方法論はどうあれ、はたから見ていても犬を殴りつける光景は醜いものです。それどころか、法改正伴って今では虐待とも受け取られかねません。 最近、こんな例がありました。秋田犬飼育歴3年の男性が、ベテランオーナーから1頭の優れた子(赤・メス)を譲渡されました。生後8カ月ほどに成長し、当クラブ事務局員が立ち姿を撮影しようとしたところ、なぜか徐々に尾が垂れてくるのです。尾が垂れる秋田犬の姿は美しくはなく、展覧会でも大きく減点されます。少しずつ尾が垂れてきている、と飼い主に指摘すると、飼い主は綱で尾が垂れるたびに犬の頭をはたきました。綱で頭をはたく行為は、直接手で殴る行為と大差はありません。 事務局員はその日、前述のベテランオーナー犬舎を訪ねる機会があり、なぜその犬が尾を垂れるのかを問うと、べテランオーナーは頭をかしげ、「尾を垂れる犬じゃないんだが」と怪訝そうにいいました。そして、付け加えたのです。「まさか、殴ってるんじゃないだろうな」。これは、常習的に頭を殴る、はたく行為をしてしまうと、本来あるべき性格が少しずつ捻じ曲げられ、尾を垂れるなど表面的な形として表れることが少なくないことを示しています。 では、どうしたら秋田犬が飼育者を信頼し、素直に服従してくれるでしょうか。実は、必要に応じて叱るのが最も効果的なのです。言葉を変えれば、必要があるときはきっちりと叱ってあげなくてはならないということです。といって、のべつまくなしに叱っていたのでは、何の効果もありません。どのような時に、犬の側に「自分は叱られているのだな」と思わせるのか、のコツを極めることが重要なのです。 前述のベテランオーナーの方法を紹介しましょう。ヒントは散歩にあります。散歩中は、極力犬に話しかけないで半ば無言で綱を持ってください。そして、例えば路上に落ちている物を口にしようとしたり、誰かに吠えようとしたり、といった「してはいけない」ことをしようとしたら、強い口調で1度だけ「だめ!」と叱るのです。散歩中も犬に話しかける行為を続けていては、「だめ!」の効果はまったく失われてしまいます。とにかく、飼い主はみずから寡黙に徹して散歩させることが大事です。 この躾方法は散歩中に行うことが最も高い効果を得られますが、散歩以外でも実践することが望ましいです。人間とおしゃべりするように愛犬に話しかけることがとても好き、という方には、犬に話しかけないことは犬を飼育する楽しみ自体が半減したような気になるかも知れません。しかし、いつも話しかけている人が急に「だめ!」と叱っても、当の犬はなぜ叱られたのかをいつまでたってもわかりませんし、そうした叱責の言葉自体意味をなさなくなるわけです。 躾をきっちりとするために、前述のベテランオーナーはそれぞれの犬舎に入っている10頭近い秋田犬たちにも気安く声をかけたりしません。寡黙によって、いざというときの「だめ!」で、自分が叱られているのだなと秋田犬は明確に理解し、展覧会でも堂々たる立ち姿を披露します。一般の飼育者の方々には、ふだんから「犬に話しかけるな」といっても無理があるでしょうから、効果的な躾を望むなら、せめて散歩だけでも寡黙に徹しましょう。 ※注釈:ごくごく稀に、血統と関連して遺伝的に凶暴な犬がおり、そうした犬は人間を噛もうとしたり、威嚇しようとします。血統的に凶暴な犬に対しては、熟練者が訓練技術の一環として「殴る行為」によって服従を覚え込ませることがあります。当クラブから送り出す秋田犬は、リーダーオーナーの指導によってそうした血統を淘汰しており、皆無です。新たな飼育者が、秋田犬飼育の知識の乏しさによって溺愛したり過保護にした場合は、犬自体が「臆病者」となり、その裏返しで自分が強いことを人間に誇示しようと威嚇したり、噛もうとすることがあります。これは完全に、飼育上の誤りからくるものです。 |