ハチ公クラブヘの信頼。
それはハチ公の古里
秋田県大館市にあることです。
秋田犬発祥の地。
展覧会出場者のための
ワンポイント・アドバイス

 最近は、当クラブ経由で旅立った秋田犬の新オーナーの皆さんの中にも、各地の支部展や本場秋田県大館市での本部展(毎年5月3日)の見学などを通じ、「いつかは展覧会にも挑戦してみたい」という意欲を持たれる方が徐々に出てきました。当クラブが提携している日本有数の名オーナー宅に合宿させてもらい、ふだんのトレーニング方法やハンドラーとしての技術を学ばせていただきたいという方も複数おります。

 さて、上は2004年春の支部展で上位入賞された方が提供なさった写真ですが、「日本で一番厳しい」といわれた元名審査員から貴重なアドバイスを得ましたので、紹介してみましょう。写真をご覧ください。審査の際に減点される重要な課題点を、2つ見つけることができます。まず1点。耳はいかなる時も、きちんと正面を向いていなければなりません。上の写真では、完全に横を向いています。そうなった原因としていくつか挙げられるのですが、最も考えられるのは手綱を持っているハンドラーがかなり緊張しているため、緊張がそのまま犬に伝わっているのです。研究に研究を重ねた交配によって、緊張しにくい資質を持った犬として生まれたのが彼ですが、もちろんそれが展覧会初出場という緊張もあるでしょう。

 ただ、初出場であっても極力緊張を緩和してやる方法はあります。上の写真のようにあまり強く綱を引き上げずに、引き上げたらフッと力を抜いてあげください。そうすることによって、犬の緊張は緩みます。場数をこなしたハンドラーでも、犬をできるだけ審査員によく見せようとして、あれでは犬が苦しいよ、と思いたくなるぐらい綱を引き上げる方がおりますが、「あれではだめ。1度引き上げた後、フッと力を抜いてあげるんだよ。そうすれば、犬の耳も正面を向き、自然体になる」と元名審査員はいいます。展覧会に出場したハンドラーの皆さんは、綱を持った時、愛犬の耳がどちらを向いているかをきちんと確認し、横を向いていたら、「緊張しているな」と瞬時に判断してください。

 さて、第2点。最高の血統でも、立ち方一つで勝敗に少なからず影響を与えます。つまり、秋田犬の立ち方一つでも真剣に学ぶ気持ちがないと、宝も持ち腐れになってしまうということです。再度、上の写真をご覧ください。前足が真っ直ぐ立っておらず、脚立(きゃたつ)のように開いていますね。いついかなる時も、天下を取る犬の脚は、このようには開きません。

 ではなぜ、脚立状態になるのか。これは大きく分けて二つの理由が挙げられます。まず、運動不足でウエイトが重すぎるということです。トレーニングによって脂肪を減らし、代わりに筋力をアップさせるのです。そうすることによって、一見して「あれがこの犬?」と驚くぐらい、外見が違ってきます。もう一つの理由は、秋田犬を美しく見せるための立たせ方の基本をまだマスターしていないことが挙げられます。順番としては、まずシェイプアップし、体が引き締まったら、いかにすれば足が垂直になるかを愛犬に接しながら研究してみてください。大抵の場合、肉体を絞り込むことによってこの問題は解決されますが、癖で脚立状態になる場合は特別なトレーニング方法を学ぶ必要があります。なお、子犬の時は過剰に走らせるトレーニングは絶対に禁物です。体がきちんとできあがっていないため、過剰に走らせると膝関節をだめにし、展覧会では一生使い物にならなくなります。子犬の時は、ごくごく普通の散歩をさせるだけでいいのです。

 秋田犬には、実に122項目にもわたる審査個所があります。それだけの審査個所にのぼれば、いわば全身をくまなく見なくてはならない理屈になります。しかし、きわめて短時間のうち何頭もの犬に優劣をつけなくてはならない審査員には、とうていそこまで見る時間も余裕もありません。最も肝心と思われる10数項目を中心に審査しているのが実情で、秋田犬審査員の試験も80点以上得点しないと合格できないほどハイレベルな中にあってさえ、実際の審査力量には開きがあります。それほど秋田犬の審査はむずかしいことを意味していますが、今回アドバイスをくれた元名審査員はまだ経験の浅い審査員の皆さんに「机上で秋田犬を学ぶのではなく、ふだんからたくさんの秋田犬を見るよう心がけなさい。そうすれば、おのずと審査員としての眼も養われてくる」と、常日頃から叱咤激励しています。

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