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優れた虎を作り出すのは赤や白以上にむずかしい、という声は熟練者の口からよく聞かれる。無論、優れた秋田犬を作りあげるのは色に関係なく至難の技なのだが、その中で最も根気を要するのは、やはり虎だろう。赤や白はそれほど色に比重は置かれないが、顔、構成などさまざまな要素に加えて虎は色バランスも求められる。 苦心の末、良い色が出たかと思えば、顔に満足がいかない。逆も然りで、良い顔を作りあげたかと思えば、色に納得がいかない。優れた虎の繁殖に長年情熱を傾けてきた熟練者には、常にそのジレンマがついてまわる。すべてを兼ね備えた虎を作りあげるのは不可能、といっても過言ではないほど、虎はむずかしい。どこまで行っても到達点に届かぬほど奥が深いのだ。 このコーナーでは、1頭の虎の顔を2枚の写真で紹介してみよう。彼は秋田県で生まれ育った。あまりにも有名な犬であるため名前は差し控えるが、虎1本に取り組んできた全国の熟練者の中には、「いつかこんな虎を作りたいものだ」と、この姿にため息が出る方もいるのではなかろうか。
これだけの顔、そしてこれだけの色を併せ持った虎は珍しい。無論、展覧会では圧倒的な強さを見せる。2006年、彼は3歳になった。成犬としては、まさにこれからが円熟期だ。
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